こんにちは、放射線技師の向井です!
今回は放射線と単純X線検査(レントゲン)でよく質問されることについてお答えしていきます。
◾︎放射線とは?
放射線には大きく2つの種類があります。光の仲間で、波のように伝わっていく電磁波と小さな粒子が高速で飛ぶ粒子線です。電磁波にはいろいろな波が含まれ、それぞれ波長によって区別します。波長が100メートルくらいの長いものは電波と呼び、ラジオ放送などに利用されます。波長が1メートルくらいの短いものはマイクロ波と言い、電子レンジなどに利用されます。それよりさらに波長が短いものはガンマ線とX線があります。これらは物をよく通り抜ける性質があります。X線は医療分野においてX線検査として多く利用されています。
粒子線にはアルファ線、ベータ線、陽子線などがあり、最近のガン治療で利用されています。
◾︎放射能と放射性物質と放射線、3つの違いは?
これらは単語が似ているためよく混同されますが全く別の意味を指します。放射能は放射線を出す能力をいいます。そして放射性物質は放射能を持つ物質をいい、放射線は放射性物質から放出される粒子や電磁波をいいます。
◾︎X線検査には何がある?
X線を利用した検査には単純X線撮影(よくレントゲンと言われている)、CT検査、バリウム検査、カテーテル検査などがあります。X線は物質をよく通り抜ける性質(透過性)があり、X線検査では体内の骨や水分、脂肪などの透過性の違いを利用して体の中を調べます。
◾︎レントゲンではどのくらい被爆している?
1回の胸部レントゲン撮影で0.3mSv(ミリシーベルト)程度の被曝をしていると言われています。これは普段私達が生活しているなかで受ける、自然放射線による被曝(年間2.2mSv)よりも極めて低いです。
※ mSv(ミリシーベルト):放射線が人に対して、がんや遺伝性影響”のリスクをどれくらい与えるのかを評価するための単位です。
◾︎何度もレントゲン撮影して大丈夫なの?
体に影響が出るほど被曝をするということは一度に全身に200mSv以上の放射線を受けるということです。対してレントゲン撮影での被曝線量は前述の通り胸部撮影で0.3mSv程度、膝関節撮影で0.5mSv程度と極めて微量です。また、検査する部位に対しても技師がX線を照射する範囲を限定し、最適な撮影条件で行いますので安心して検査を受けてください。
今回は放射線と単純X線検査(レントゲン)についてお話しました。他にも疑問やわからないことなどがございましたらお気軽にご相談ください。