こんにちは、放射線技師の向井です。
今回は主な画像診断装置についていくつか紹介していきたいと思います。
◾︎ 単純X線撮影
レントゲン撮影のことで、X線を使って胸部や腹部をはじめ、四肢の骨の状態を撮影します。X線は物質をよく通り抜ける性質(透過性)があり、肺のような空気の多いところは通りやすく、骨は通りにくいといった透過性の違いを利用して体の中を調べます。画像上、空気は黒く、骨は白く写ります。
◾︎CT
単純X線撮影(レントゲン)は一方向からX線をあてて胸腹部や骨の状態を診ることに対して、CTは患者さんに検査台に横になってもらい、ドーナツ状の装置に潜らせる時に身体の周りからX線をあてて身体の断面を画像にします。こちらもX線の透過性を利用しますが、レントゲンのような骨だけでなく臓器の状態もわかります。また、画像状の色の濃淡を高めて血管の状態や病変部の判別するための造影剤を使った検査もあります。
◾︎MRI
時々CTと混同されがちなMRIですが、こちらはX線を使わずに強力な磁石と電波で体の断面を画像にするため被曝の心配はありません。ですが、患者さんにはトンネル状の装置の中に短くとも20分ほど大きな音がするなか横になってもらう必要があるため個人的にちょっと大変に思います。しかしその分、脳や脊椎、骨軟部、子宮や卵巣、前立腺といった臓器の状態をより詳しく診ることが出来ます。また、強力な磁石を使用しているためピアス、ネックレスなどのアクセサリーや時計、補聴器やカイロなどの金属を利用したものは怪我や装置の故障に繋がるため検査前に外していただく必要があります。こちらもCT同様造影剤を使った検査ができます。
◾︎骨密度測定装置
骨粗鬆症を判定するための装置です。当院ではX線を使用したDEXA法と呼ばれる方法で、腰椎と大腿骨の骨密度を測定して診断しています。患者さんに仰向けに寝てもらって検査を行い、「若い人の骨密度の平均値と比べて、自分の骨密度が何%であるか」を調べます。他にも手首や踵で計測する装置もありますが、腰椎や大腿骨は骨折すると寝たきりにつながるので骨密度は腰椎や大腿骨で計測するのが良いと言われています。また、診断に加えて、お薬の治療効果の評価にも適しています。
今回は主な画像診断装置についてお話しました。他にも疑問やわからないことなどがございましたらお気軽にご相談ください。